2021年12月28日火曜日

コミックマーケット99

こんにちは。坂元です。

ご無沙汰の更新です。約4年10か月ぶりです。
この間いろいろありましたが、ようやく約7年半ぶり(前回はコミケ86!)に新刊を出せることになりました。とはいっても、サークル参加はしておらず、委託という形です。委託先の新日本現代光画 佐藤成夫さんには感謝あるのみです。
細かいところは後述するとして、まずは告知をば。

告知

2021/12/31(金) 二日目 東地区5ホール "フ" ブロック 09b 新日本現代光画様 (委託)
新刊:
 光学設計者 藤陵嚴達 ~ズノー、ヤシカ、リコー~ 1,000円
 B5 92P 表紙カラー本文一色刷り
※ 既刊の委託はございません。
※ 当日のスペースには、私はおりません。

通信販売:サークル「脱力測定」通販サイト (pico2.jp)
 通信販売でも、会場と同じく1,000円で頒布いたします。
 発送開始はコミケ当日2021/12/31からになります。
電子版:光学設計者 藤陵嚴達 ~ズノー、ヤシカ、リコー~ - 脱力測定 - BOOTH
 電子版は、800円で頒布いたします。
 コミケ当日2021/12/31から上記ページで公開予定です。

今回、初めてのメカミリジャンルで文字ばかりの本になります。
私の好きなズノー 5cm F1.1の設計者の一人である、藤陵嚴達氏の足跡をまとめた内容です。
戦後間もない時期に国産大口径レンズを設計した藤陵氏が、その後どのようなレンズを設計したのか?また、それらはどのような時代背景のもとで作られたのか?などを執筆しています。藤陵氏の回顧録から藤陵氏個人の仕事を追いつつ、藤陵氏が勤めたズノー光学、ヤシカ、リコーの企業史も併せることで、より時代の空気を感じられるようなものを目指しました。
……と書いていると随分と読み易そうな本になっていそうですが、内容的にはかなり「カメラ好き寄り」になっており、ライトな方には読むには重い本かもしれません。本当は、藤陵氏のことを「カメラ好きではない」方にも知ってもらいたいところなのですが、リソースが及ばず、今回発行する形式になりました。
ただ、藤陵氏の当時を知る方々へのインタビュー(富岡光学にルーツを持つ木下光学様、リコーOBの方)も含まれており、他では得られない充実した内容になっているかと思われます。日本カメラ博物館の司書の方々にも資料集めで助力をいただきました。約4年集中して作成しただけはある気合の入った一冊になっておりますので、是非手に取っていただければ幸いです。
最新の情報はTwitterもご確認ください。


今に至るまでのいろいろとか今後の活動とか

今回、なんで全年齢創作漫画ではなくメカミリ本になったのか、といったところを少し説明しておきたいと思います。
当初、漫画のネタのためにカメラを始めていたのですが、知らぬ間にズブズブと沼に嵌っていき、気付けば「このレンズの設計は○○さん……」みたいなことを言い出すところまでにいたってしまいました。「いやいや、カメラは漫画の為」と思い『F』『F2』を出していたのですが、ひょんなことから現役の光学設計者さんと知り合い、光学設計者への興味は深刻化、ついには「ズノー 5cm F1.1を設計した方は、その後どんなレンズを設計したのだろう?」と強い関心を持つに至りました。特に、当時まだ20代で若かった藤陵嚴達氏のその後は、追いかけてみる価値があると感じていました。
そんな折、今回の委託先の主宰である佐藤成夫さんのシリーズ『佐藤評論』に出会い、「そうか、こういう本もありなんだな」と新しい発見を得ました。「それでは、漫画と並行して書いてみるか」と思い、2018年頃はネームと並行して書いていました。しかし、書けば書くほど「あ、これ片手間じゃ駄目だ」と気付き、漫画は一度寝かせて今回の新刊の制作に集中した次第です。

この光学設計者本は、シリーズにするつもりはなく、また全年齢創作漫画に戻る気でいます。今回制作するのが大変だったというのもあるのですが、一番はやはり(今のところ)藤陵氏ほど強い関心を抱いて書ける方がいないというのが大きいです。言い換えれば、藤陵氏だったからこそ、92ページという分厚さになったとも言えます。
先のことはわかりませんが、ひとまず直近ではこうした系統の本を続けて出すつもりはありません。

で、じゃあ、漫画の方はどうするんだい?という話ですが、漫画の方は続ける気でいます。しばらくは時間が取れずに本を出せるかは怪しいですが、隙間時間でちまちま進めたいと考えています。
ひとまず直近で書きたいと思っているのは、以下の2本です。

  • 『F』のテーマを消化する一本
    キャラクター作りで思うところがあって、『F』を継続するよりもテーマを消化する一本を描いたほうがいいかな、と思っている次第です。
  • 前回の告知で触れた、大判女子本を一本
    60ページほどネームを書いたのですが、どうも腑に落ちなくて塩漬け……。
    とはいえ、大判×制服はヴィジュアル的にも描きたいので、なんとかして形にしたい。
なので、どうか気長にお待ちいただければ幸いです。